わたしは、高校生の息子をもつ40代の主婦の方にお話を聞きました。
彼女の息子さんは、もうすぐ卒業と言うのに進路も全く決まっていない状態でした。
自分が何がやりたいのか、何になれるのかが分からないと言って、毎日スマホをしているだけでした。
心配になって進路はどうするのか聞いても、「考えてるから放っておいて」と言われます。
塾にも一様入れて夏期講習には行っていましたが、成績も振るわずにいました。
そんな彼女の経験から高校生のお子様をお持ちの保護者の方がどう接していけばよいかの参考になれば嬉しいです。
高校生の息子 娘が心配で子離れできない
彼女の息子さんはもともと「未熟児」で産まれました。
産まれたときから体はもちろん小さかったですし、何回も入院をしてきました。
幼稚園もほとんどいけていません。
行ったとしても次の日は熱をだしてお休みをしたり、早退も数え切れないほどしていました。
小学生になってどうにか1日過ごせるようになったのは、2年生くらいのときからでした。
外遊びもほとんどしていなかったので、よく転びます。
心配だった彼女は体育は毎回見学させていたそうです。
体が小さかったので、時にはいじられることも。
彼女は毎日学校の正門まで迎えに行っていました。
3年生のときにはじめたスイミングがよかったのか、少しづつ体力も付いてきました。
公立中学校に通わせるのは心配だったので中学受験をさせました。
中学では、卓球部に入り友達もできて楽しそうに通っていました。
そして、高校になってめっきり勉強しなくなってしまいました。
言葉にすると怖いのですが、『無気力』なんです。
「自分がない」というか、空っぽの人間がいる感じです。
高校では、成績は後ろから数えた方が早いくらいです。
勉強をさせるために、厳しいという塾に入れたことが原因になったのかもしれません。
毎日心配で心配で話しかけるのですが、彼女が話せば話すほど、息子は心を閉ざしていくのが分かりました。
もう心配でいろいろなところに相談に行きました。
しかし彼女の納得できる回答はもらうことはできませんでした。
息子さんをこんな無気力にしたのは、あなたが子離れできていないからですよと言われたことがあるそうです。
でも、自分が彼を見捨てたら彼はどうなってしまうのでしょう?
あなたに責任は取れるの?
と思ったそうです。
息子に合う学校を探して、資料請求をしてみせても無反応。
これが彼女から聞いたお話です。
客観的にみても分かるように彼女は典型的な『過干渉なお母さん』です。
息子が困らないように、息子が恥ずかしい思いをしないように、息子のために!
これに一生懸命になりすぎたのです。
これはある意味仕方のないことかもしれません。
小さいときから病気がちで、手を焼くことが当たり前にやってきました。
するとまるで息子の人生を一緒に歩むのが自分の役目と錯覚してしまうのです。
高校生の子育てに疲れた場合の対処法とは
彼女自身、とても疲れていました。
息子さんが希望に満ちた進路に向かっていってくれさえすれば、それでいいと思っているのにどうしてうまくいかないのかと。
そこでわたしは、アドバイスすることにしました。
あなた自身が、『自分のために生きてくださいと。』
ずーっと子育てしかやってこなかった彼女はとても驚いていました。
わたしに何ができるというんですか?!と。
彼女自身が今の現状を変えたくなかったのです。
それが息子さんを自立させるのを邪魔していたのです。
言い換えれば、彼女は本当はずっと息子さんのお母さんをしていたかったのです。
病気がちな息子をかいがいしく自分の人生を全てかけてお世話する素敵な自分に酔っているだけなのです。
最初これを言った時彼女はとても怒りました。
なんてことを言うんだ!ととても腹を立てていました。
しかし、息子さんの姿を見ているうちにこれではいけないと思い立ったそうです。
今まで仕事などしたことがなかったのですが、パートに出てみることにしたそうです。
慣れないパートで大変な思いをしたそうですが、自分の価値を再発見することができたと嬉しそうに報告くださいました。
すると息子さんは、なにか憑き物が取れたのごとく今は、勉強を始めたそうです。
進路に向かって。
※勉強でやる気を出す為の習慣付ける方法やモチベーションの出し方とは!?
まとめ
いかがでしたか?
高校生くらいになると子供は、『自立』のために葛藤しています。
しかし、親が引き戻そう引き戻そう。
まだまだ自分の元で育ててあげようと無意識のうちに思っていると、子供は敏感に反応します。
この息子さんのように、無反応や時には不登校、引きこもりなどになったりします。
またエネルギーが高い子は、非行に走ってみたり、家出をしたりします。
どうか親御さん方は子供の自立を邪魔しないでください。
そのために自分の人生をしっかりと歩んで行ってください。
そうすれば、子供は自分自身の人生を勇気を持って歩んでいくことができるのです。